プロダクトマネジメントの思考法を実践するため、Netflixを題材にPM視点での戦略立案を試みます。
Netflixの現在地を整理し、リージョン拡大の限界に直面する中で、次の成長ドライバーをどのように見出すかを考察します。
モバイルゲームやライブスポーツ配信への参入意図を深掘りし、特にWBC独占配信を成功させるための具体的な施策とUX改善策を検討します。
POINT 01
Netflixの現在地と競争優位性
Netflixはすでに世界展開を終え、地域ごとのオリジナル番組制作やパーソナライズされたUIで多数のユーザーを獲得しています。0→1フェーズではなく、成熟した市場でトップを維持する企業です。
競合はHBO MaxやAmazon Primeなど多数存在し、差別化の鍵はコンテンツです。これまで買い付けモデルからオリジナルコンテンツ制作に注力し、独占契約による高コストと利益率低下を回避してきました。
オリジナルコンテンツへの投資は高額ですが、データドリブンな意思決定によりヒット作を量産。これによりコスト回収と利益率向上を実現し、競争優位性を確立しています。
POINT 02
Netflixが次に狙う成長ドライバー
STEP 01
リージョン拡大の限界
進出可能な国はほぼ出揃い、規模拡大による成長は鈍化。次のステップチェンジには新たな価値提供が不可欠です。
STEP 02
可処分時間の奪い合い
ユーザーの可処分時間をいかに多く獲得するかが鍵。暇な時にNetflixが第一想起され、コンテンツ視聴に繋がる状態を追求します。
STEP 03
モバイルゲームへの注力
アプリの最上部にモバイルゲームを配置。短時間(30秒〜5分)で楽しめるゲームで、映像では取りきれない細分化された隙間時間を狙います。
POINT 03
なぜショート動画ではなくモバイルゲームなのか
ショート動画
- コンテンツの一部切り取りで権利処理が必要
- レベニューシェア発生で費用対効果が低い
- ストーリー性との相性が悪く、短尺で価値提供が困難
- 本編誘導のSNS活用に留まる
モバイルゲーム
- オリジナルコンテンツで権利処理・レベニューシェア不要
- 短時間(30秒〜5分)で楽しめる
- 隙間時間の細分化されたニーズに対応
- ワシントンポスト等の成功事例を参考に
POINT 04
ライブスポーツ配信への参入意図
WBC独占配信は、いつでも見られるドラマや映画とは異なる「今見るべき」動機を創出します。これにより、ユーザーのアクティブ率向上を狙います。
ニュースや報道ではなくスポーツを選んだのは、国民的関心が高く、同時接続視聴率の実績があるためです。熱狂を共有したいというユーザーニーズに応えます。
スポーツは国ごとのローカライズが比較的容易で、テレビが得意とするニュース分野に比べ、Netflixが参入するメリットが大きいと判断されたと考えられます。
POINT 05
WBC独占配信成功のためのPM戦略
- 01
批判の克服
「テレビで見られない」「有料化」「ITリテラシーの壁」といった批判に対し、限定無料開放や単体チケット導入を検討し、ネガティブな印象を払拭します。
- 02
ムーブメント創出
AbemaのW杯事例を参考に、広告モデルでの期間限定無料開放やUGC促進で同接数を最大化し、未加入者層の興味を喚起します。
- 03
UXの最適化
モバイルよりテレビ体験を最優先。Netflixボタン活用でアカウント作成から視聴までの導線を最短化し、視聴の障壁を極限まで減らします。
- 04
継続利用の促進
WBC終了後の解約を防ぐため、野球関連のオリジナルコンテンツや選手ドキュメンタリーを波状的に提供し、継続的な価値を提供します。
TAKEAWAY
NetflixのPM思考は、現状分析から可処分時間の奪い合い、そしてモバイルゲームやライブスポーツといった新たな成長戦略を多角的に考察する重要性を示唆する。
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