「やり切る力(GRIT)」は、ビジネスにおいて最も期待される資質の一つとして広く認識されています。多くの経営者やPMが、この能力を持つ人材を高く評価しています。
しかし、筆者は「やり切る力」だけを無条件に信頼することには危うさを感じています。その理由と、本当に重要なスキルについて深掘りします。
POINT 01
「やり切る力」に潜む二つの落とし穴
- **根性論の限界**: 無理な目標を精神力で乗り越えることは、次のハードルを不必要に高め、物理的な限界やスキル不足に直面した際に破綻を招くリスクがあります。
- **プロジェクトの変数制御不能**: チームで進めるプロジェクトでは、個人の「やり切る力」だけでは解決できない問題が多い。予期せぬトラブルで計画が破綻する可能性があります。
POINT 02
信頼されるプロの条件は「代替案」の多さ
真に信頼できる人材は、物理的に困難な状況に陥った際に備え、常に複数の代替案を用意しています。筆者は常に5~10案を準備し、状況に応じて柔軟に選択肢を切り替えることを重視しています。
例えば、スケジュール遅延が見込まれる場合、単に「頑張って間に合わせる」のではなく、早期にステークホルダーと調整し、スコープや品質の優先順位を見直すといった期待値調整が重要です。
POINT 03
常に冷静に状況を判断するプランニング思考
STEP 01
状況把握
現在のプランAの成功確率を客観的に評価する。
STEP 02
トリガー設定
プランAが困難になった際の移行条件(トリガー)を明確にする。
STEP 03
プランBへ移行
トリガーが発動したら、速やかにプランBへと戦略を切り替える。
STEP 04
プランC以降
さらに状況が悪化した場合に備え、プランC以降も準備しておく。
POINT 04
「忙しくない」が最強のプロフェッショナル
プロフェッショナルは、常に余白を持ち、ペース配分をコントロールすることで「忙しくない状態」を維持すべきです。緊急時以外に「忙しい」と感じることは、計画性の不足を示唆します。
これは手を抜くことではなく、スマートに成果を出すための戦略です。常に理想の状態に近づけるよう、先を見越した準備と効率的な仕事術を追求することが重要です。
POINT 05
「やり切る力」は最終手段、普段はロジックで
「やり切る力」は不可欠ですが、その発揮すべき場面を理解することが重要です。
普段の仕事
- ロジックと複数のプランでプロジェクトを運営
- ペース配分と余白を常に確保
- 問題発生時は代替案で柔軟に対応
最終手段
- 「火事場の馬鹿力」として発揮
- スタミナ切れを防ぐため温存
- 奥の手として、ここぞという時に使う
POINT 06
涼しい顔で成果を出すための手札を増やそう
「やり切る力」がないと悩む必要はありません。それよりも、自分のペースを守りながら成果を出すための「手札(代替案やスキル)」を増やすことが重要です。
もしペースが遅いと指摘されるなら、それはスキル不足のサイン。スキルを磨き、常に複数のプランを用意することで、どんな状況でも冷静に、そしてスマートに成果を出せるプロを目指しましょう。
TAKEAWAY
「やり切る力」は最終手段とし、普段から複数の代替案と適切なペース配分で、涼しい顔をして成果を出すプロを目指すべきだ。
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