Newbeeの八塚氏が、TVerでのバリューストリームマッピング(VSM)実施事例を共有。
各部署を横断して実施したVSMが、組織全体のボトルネック解消に大きく貢献した経緯を解説する。
本エピソードでは、具体的な実施方法、見えてきた課題、そして得られた成果について深掘りする。
POINT 01
バリューストリームマッピング(VSM)とは?
VSMは、顧客に価値が届くまでのプロセスを流れとして可視化する手法です。
1950年代のトヨタ生産方式「物と情報の流れ図」に起源を持ち、無理・無駄・ムラの改善に利用されました。
現在はリーン開発やアジャイルの現場でも応用され、リードタイム短縮と全体最適の見える化を目的とします。
POINT 02
TVerでの実践プロセス
- 01
対象
フロントエンド、バックエンド、デザイン、PM、QAなど各職種を部署単位で複数回実施。
- 02
テーマ
1プロジェクトの開始から完了までの全プロセスを対象とした。
- 03
形式
1チームあたり3-4時間かけ、オンライン会議ツールMiro上で実施。
- 04
内容
各工程で「誰が」「何を」「どれくらいの時間」「どう引き渡すか」を洗い出した。
- 05
成果
工程間の待ち時間や情報が滞る部分が明確に可視化され、目的通りの効果を得た。
POINT 03
部署横断VSMで判明した課題
- 普段見えなかった部署間の大きなバリューストリームとボトルネックが浮上。
- PMの意思決定遅延が、実はステークホルダーとの調整に起因していた。
- QA工程のボトルネックが、前工程の要件詰め不足や情報後出しに原因があった。
- 複数部署で同一作業が重複しているケースが発見された。
- 作業工程の担当部署やタイミングの最適化余地が見つかった。
POINT 04
VSMがもたらす組織的変化
- チームが自身の責任範囲を超えた全体プロセスを意識するようになった。
- 自分たちの工程だけでなく、次工程への引き渡し時の意識が向上した。
- 部署間のコミュニケーションボトルネック改善を全体最適で検討可能に。
- 引き継ぎ単位を最小化し、ボトルネックをチーム全体で共有する文化が醸成された。
POINT 05
バッチサイズとアジャイル思考への繋がり
STEP 01
問題発生
部署横断時の「完璧に整理して渡す」意識が、情報伝達のバッチサイズを肥大化させる。
STEP 02
悪影響
大きなバッチサイズは手戻り時の手間を増やし、全体スケジュールに悪影響を及ぼす。
STEP 03
解決策
バッチサイズを小さくし、コミュニケーション頻度を高める議論が自然発生した。
STEP 04
思想の一致
この解決策は、アジャイルのスプリントを小さくする思想と本質的に一致する。
STEP 05
自然な浸透
スクラム用語を使わずとも、課題解決を通じてアジャイル的思考が組織に浸透する。
TAKEAWAY
組織全体の価値の流れを可視化し、部署横断でボトルネックを特定・改善することが、真の全体最適に繋がる。
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